クラシック半券ギャラリー

2000年03月18日(土)

新国立劇場オペラ「沈黙」


遠藤周作:台本 松村禎三:台本・作曲
「沈黙」
指揮:星出 豊
演出:中村敬一
東京交響楽団

ロドリゴ:大野徹也
フェレイラ:久保和範
ヴァリニャーノ:宇野徹也
キチジロー:蓮井求道
モキチ:吉田浩之
オハル:斉田正子

2000年03月19日筆

新国立劇場での久しぶりの日本オペラ。芸術監督が変わって、日本のオペラはシーズンに1回になって少し残念になりました。
さて、遠藤周作さんの深い内容の原作をいかにオペラ化したのかが興味ありました。今回の上演は、日生劇場での初演・再演に次ぐ、2回目の再演となるとのことです。
日本語の上演で字幕はなし。言葉が聞きにくい部分もあり、アラスジを事前に知っていないと充分に理解できない作品だと思います。私は、この上演の前に偶然のようにBS放送での映画を見ました。フェレイラ役が何と丹波哲郎さん。この映画に大変な感銘を受けました。そしてオペラ・・・
原作をかなりカットしたり新しい役の設定などあります。この作品の重要な部分はラストのロドリゴと”キリストの踏み絵”の場でしょう。そこへまっしぐらに進むような話の展開になっています。
そして最後の場、神は”沈黙”を破ったのか?このオペラからは、キリストは沈黙を破ったと感じられました。踏み絵のキリストの”声”があったからこそ、ロドリゴはあの決断ができたのだと思います。
日本のオペラはとかく暗い作品が多いような気がします。しかし、このような優れた暗さなら大歓迎です。とは、言っても楽しい作品もみたいですね。


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