クラシック半券ギャラリー

2000年11日12日(日)

ギュンター・ヴァント指揮・北ドイツ放送交響楽団


シューベルト:交響曲「未完成」
ブルックナー:交響曲第9番
2001年10月03日筆
本当に聴けるとは思わなかったギュンター・ヴァント指揮の至高の音楽。未完成の交響曲を並べた意味ありげなプログラム。そして咳の一つでもしようものなら殺されてしまいそうな緊張した会場の雰囲気。
シューベルト「未完成」は最初の柔らかい響きから別世界へ。ホルンの長めのフレーズも素晴らしい。ただ劇的雰囲気を持つ朝比奈隆指揮の演奏か沼尻竜典指揮のような透きとおった演奏が個人的には好きなので、ちょっと中途半端な感じはした。
後半のブルックナーは今までの無骨であれば良いというようなブルックナー感を吹き飛ばすもの。ヨーロッパの伝統を受け継ぐオケの音が素晴らしい。日本のオケではこのような雰囲気は出せまい。
カーテンコールはオケがステージから去っても拍手が続きヴァントが拍手に答えるために登場したが、入場のときもしかりで、従者を従えての姿は痛々しかった。

息のあったオケと指揮者の素晴らしい関係を聴けたと思う。指揮者を知り尽くしたオケとオケを信頼している相互の関係が至高の音楽を奏でたのだろう。ホールが小さく音が飽和する個所があったのが残念。
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