クラシック半券ギャラリー

1998年12月12日(土)夜の部

新国立劇場バレエ「くるみ割り人形」


チャイコフスキー「くるみ割り人形」 ワリシー・ワイノーネン改訂振付版


マーシャ:中村美佳
くるみ割り人形/王子:根岸正信
ドロッセルマイヤー:マシモ・アクリ
佐藤功太郎指揮 東京フィル


1998年12月15日筆

”くるみ”は数年前のキーロフ・バレエ以来。新国立劇場とキーロフ(マイリンスキー劇場)との提携ということで、基本的にこの公演もこのキーロフ版。だから3幕版になっています。(オリジナルは2幕)

”くるみ”というとクリスマス・シーズン。まさにこの舞台もクリスマスの一夜を描いたものでした。

そういえば11月の新国立劇場でのシーズン・オペラは、クリスマス・シーズンということで「ヘンゼルとグレーテル」でした。この時の指揮者&オケはイマイチと感じたので、今回の”くるみ”も同じ組み合わせということで心配でした。でも、小序曲が始まると、、、。この懸念は吹っ飛びました。軽やかなサクサクとした心地よい音で良かったです。

中村さんのプリンシパルは初めてみましたが、しなやかな感じで良かったです。踊りのことは良く分からないのですが、自然というかマーシャのやさしい雰囲気が出ていたと思います。主役だからといって、子供達の中で妙に浮きたつ訳ではないのですが、存在感があるという感じですか。

”くるみ”は2幕から音楽が、チャイコフスキーらしい金管の咆哮、ロマン的な音楽となり、グッときますね。そして2幕最後の「雪の精の場面」。雪がヒラヒラと降りてきて感動的。でも雪の精たちは雲の上へと上って行ってしまいますが、、、。

そして3幕は、踊りの祭典というところですかな。バラのワルツ(花のワルツ)を頂点として、とにかく衣装が美しい。カラフルといっても、淡い淡い色使いが最高。目の保養をさせていただきました。

ということで”くるみ”って本当にいいものですね。来年もこのシーズンは定番で上演すればいいのに。と思いますが、来年の12月は「シンデレラ」の予定です。まぁ、いいかなぁ。


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