クラシック半券ギャラリー

1999年07月06日(火)

フィルハーモニー合奏団ベルリン&エマニュエル・パユ
 


アルビノーニ:弦楽合奏とオルガンのためのアダージョ
グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」〜アリア
グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」〜精霊の踊り
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番
〜ロンド・ブーレ・ポロネーズ・メヌエット・バディネリ
− 休憩 −
バーバー:弦楽のためのアダージョ
J.S.バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第5番

<アンコール>
ヴィヴァルディ:「海の嵐」〜第3楽章
グリーグ:組曲「ホルベアの時代」〜「前奏曲」

1999年07月12日筆

カラヤン逝去10周年メモリアル・コンサートと副題のついたプログラム。(一部、パンフレットのプログラムと曲順、曲目の変更がありました。)そして演奏するのは、カラヤンとは縁が深かったベルリン・フィルの精鋭達です。

まず、弦楽合奏を中心とした2曲。弦の厚さの素晴らしさを感じました。低弦もチェロ2、コントラバス1でこれだけの深みのある音が出るのは凄い。指揮者のいない合奏で呼吸を合わせるのは難しそうだが、そのようなことは感じさせない魅力がありました。

そして、3曲ベルリン・フィルの若手フルーティスト、エマニュエル・パユさんの登場です。一際大きな拍手で迎えられたようです。あたたかくぬくもりのあるフルートの音。イタリア的な明るさというより、しっとりといた感じがしました。このあたりは、ドイツのオケの一員ということも関係あるのでしょうか?

休憩をはさんで後半も、弦楽合奏のあとにパユさんの登場。そして私が、この晩、最も期待していた曲。ブランデンブルグ5番。チェンバロ、フルート他、ソロ奏者を囲むように弦楽合奏が位置しました。ソロ奏者が達者に弾くと、まわりの奏者が、コソコソと会話している様子を想像しました。有名なチェンバロのソロも芸達者な感じ、音量が出ないだけに、長いソロにじっと耳を傾けていました。

そして、アンコール。まずは、パユさんのフルートの腕の見せ所と言ったヴィヴァルディ。イタリアの協奏曲って清々しくていいですね。

そう、この晩のプログラムは、追悼カラヤンということで、「アダージョ・カラヤン」を意識しすぎという感じ。梅雨時に聴くにはジメジメっとしずぎのプログラムだったようです。この時期にはモーツアルトなどののイタリア風の明るいコンチェルトを聴きたい!と思いました。このプログラムだったら10月くらいの枯れ葉の季節にぴったりと思ったのは私だけ?

最後は弦楽合奏で静かに閉められました。


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